知らなかったでは済まされない!出勤管理の基本

勤怠管理

知らなかったでは済まされない!出勤管理の基本

「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」にも記載がある通り、管理監督者、および会社は今まで以上に社員の出勤管理を徹底する必要があります。

そして、そうした出勤管理と切っても切り離せないのが「労働時間」という考え方です。今回は、この管理監督者であれば悩むであろう労働時間の定義とグレーなゾーン、さらにその管理義務と方法の基本についても紹介します。

そもそも「労働時間」とは?

「労働時間」が何を意味するのか改めて整理しましょう。おそらく「労働時間」=「実際に働く時間」と思っている人が多いとは思いますが、労働時間とは一見シンプルに見えて実はかなりグレーな側面をもっている言葉なのです。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」には、労働時間の定義として以下のように記載されています。

「労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。」(抜粋)

 つまり、使用者の指示命令によって成り立つ労働の時間が「労働時間」となるということです。しかし、実際の仕事の環境では、労働時間とその他の時間を明確に切り離すことが難しいケースも多いのです。

例えば、お昼の休憩時間に昼食をとりながらパソコンでメール処理をしたり、会社からの指示でクライアントとの食事会を開催したり、必須ではないものの評価などの査定に関わってくるような研修などがあります。これらはどれも、実態によっては「労働時間」と捉えられる可能性があります。
しかし、これらのことを理解していない管理者も少なくなく、政府の「働き方改革」の動きが本格的になり始めている今だからこそ慎重に、正しく労働時間を把握することが重要です。管理者や会社がこれらのことを理解していなければ、正しい労働時間とそれに対する賃金とのずれが発生し、トラブルになってしまうおそれもあるのです。

なぜ出勤管理をする必要があるのか?

これらのトラブルを避けるためにも、管理者や会社は社員の労働時間を把握し、違法な過重労働を防ぐ義務があります。社員の出勤時間、休憩時間、退勤時間を正しく把握することで、実態と想定のずれがないようにしなくてはいけません。この管理がおろそかになると不当な長時間労働や割増賃金の未払いなどがおのずと増えてくるのです。

労働時間の適正な管理のためには、前述のガイドラインにもある通り、使用者が自ら現認して確認するか、もしくは客観的な記録を残して確認する必要があります。社員の出勤管理を行い、労働時間を正しく把握することは使用者にとっての義務なのです。「使用者」とは労働基準法第10条にて、「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」と定められていますので、社員に過重労働などが見られた場合は、管理者である上司も合わせて因果関係の調査対象に上がる可能性があるということになります。

いろいろな出勤管理の方法

こうした不測の事態が起こることを未然に防ぐためにも、しっかり出勤管理は行う必要があります。出退勤の記録に使われるツールとしてはタイムカード、ICカード、パソコンでのログイン記録などが一般的です。

タイムカード

手書きで管理している組織もありますが、専用の機械を使うことが一般的です。カードを挿入するとその時間を打刻してくれるため、出勤、退勤時に忘れなければ、正しく時間の記録ができます。大規模な企業での運用は難しいですが、お店や中小企業では導入がしやすい方法といえます。

ICカード

タイムカードの代わりに、チップの埋め込まれたICカードを用いて時間を登録する方法です。入力したデータが自動でシステムに記録されるため、入力後のデータ管理がタイムカードに比べて便利です。

パソコンのログイン記録

社員がパソコンを使うために社内システムにログイン・ログアウトした時間を記録して労働時間を管理する方法です。「勤怠を登録する」という作業も必要ないため、入力ミスは防ぎやすいともいえます。

労働時間を正しく理解して行いたい出勤管理

「労働時間」とは分かりやすいようで、分かりづらい考えでもあります。しかし、管理者は今まで以上に「労働時間」のことを正しく理解することが求められており、知らなかったでは済まされないような状況にもなってきています。管理者、社員一人ひとりが労働時間を正しく理解し、適切に管理していくことが健全な社員、ひいては健全な会社を育んでいくことにつながるのです。

そのためにもタイムカード、ICカード、パソコンのログイン記録などを駆使して、社員の「正しい」出勤管理を行うことが重要です。会社はまずは出勤管理の徹底義務を改めて認識し、会社規模や状況に応じた管理方法を検討することが必要であるといえます。


参考:

労働基準法第10条|e-Gov